国際情勢レポート / 2026年5月
米中・中露の首脳会談による対話と結束の動きの一方で、UAEのOPEC脱退や米国の在独軍撤収、英国の政治流動化など、従来の国際枠組みや同盟関係に変調が見られた。
目次
最優先
エネルギー安全保障の再構築
UAEのOPEC脱退に伴う原油市場の不安定化リスクを踏まえ、調達先の多角化や備蓄管理の徹底、再生可能エネルギー・GXの導入を加速。
最優先
経済安全保障とデリスクの推進
米中対立の常態化と中露の戦略的結託を前提に、サプライチェーンの特定国依存を低減し、重要物資の国内回帰や有志国連携を強化。
重要
防衛・安全保障ネットワークの多層化
米軍の在独部隊縮小など米国の戦略シフトを注視し、日米同盟の抑止力を維持しつつ、豪州・インド・欧州主要国との多国間防衛協力を独自に深化。
重要
外交的インテリジェンスの強化
英国の内政流動化やOPECの変調など、従来の同盟・多国間協調が揺らぐ中で、各国の政治動向を迅速に察知し国益を守るための情報収集体制を整備。
短期(3ヶ月)
枠組みの変動に対する即応と監視
中期(1年)
対立の固定化と独自の連携拡充
長期(3〜5年)
多極化世界における自立的生存戦略
今月の総括
5月は、主要国による首脳外交の活発化と、エネルギー・安全保障における既存の国際枠組みの再編が鮮明となった月である。北京での米中首脳会談、それに続く中露首脳会談が開催される一方で、米国は在独軍5,000人の撤収を発表し、中東ではUAEがOPEC脱退を表明するなど、従来の秩序が揺らいでいる。欧州でも英地方選で労働党が大敗し右派新興勢力が躍進。多極化が進む国際情勢に対し、日本はより自立的かつ柔軟な経済・安全保障戦略の再構築を迫られている。