1. トップ
  2. トピックス
  3. 月間経済レポート
  4. 2026年4月
20264月号2026年4月28日公開

月間経済レポート 20264月版

2026年4月23日公表の政府「月例経済報告」に基づく景気動向解説。

1. 今月のポイント

今月の基調判断(政府見解)

先月と変わらず
景気は、緩やかに回復しているが、中東情勢の影響を注視する必要がある。

※先月の基調判断「景気は、緩やかに回復しているが、中東情勢の影響を注視する必要がある。」から判断維持。

重要チェックポイント

個人消費
持ち直しの動きがみられる(消費者マインドに注意)
設備投資
持ち直している
公共投資
堅調に推移している
輸出
おおむね横ばいとなっている
企業収益
米国の通商政策の影響が残るものの、改善の動きがみられる
業況判断
おおむね横ばいだが先行きはやや慎重(中東情勢に注意)

今月のまとめ

基調判断は先月から維持され、「判断維持」となった。個人消費は消費者マインドが弱い動きとなっていることへの注意が追記され、設備投資は「緩やかに持ち直している」から「持ち直している」へ上方修正、公共投資は「底堅く推移している」から「堅調に推移している」へ上方修正された。中東情勢の緊迫化に伴う原油高・物価上昇リスクへの警戒が高まっており、先行きの不確実性は依然として高い状況です。

月例経済報告:先月からの主要変更点

分野3月月例4月月例
個人消費持ち直しの動きがみられる持ち直しの動きがみられる。ただし、消費者マインドがこのところ弱い動きとなっていることに注意が必要である。変更
設備投資緩やかに持ち直している持ち直している変更
住宅建設弱含んでいる弱含んでいる
公共投資底堅く推移している堅調に推移している変更
輸出おおむね横ばいとなっているおおむね横ばいとなっている
輸入おおむね横ばいとなっているおおむね横ばいとなっている
貿易・サービス収支おおむね均衡しているおおむね均衡している
生産横ばいとなっている横ばいとなっている
企業収益米国の通商政策の影響が残るものの、改善の動きがみられる米国の通商政策の影響が残るものの、改善の動きがみられる
業況判断おおむね横ばいとなっているおおむね横ばいとなっている。ただし、先行きについてはやや慎重な見方となっており、中東情勢の影響を注視する必要がある。変更
倒産件数増加がみられる増加がみられる
雇用情勢改善の動きがみられる改善の動きがみられる
国内企業物価緩やかに上昇している緩やかに上昇している
消費者物価このところ緩やかに上昇しているこのところ緩やかに上昇している

2. 景気全体の動き

公式見解

「緩やかに回復しているが、中東情勢の影響を注視する必要がある」

日本経済は、雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな回復が続いている。設備投資は「持ち直している」へ上方修正、公共投資も「堅調に推移している」へ上方修正された。一方、個人消費は持ち直しの動きが続いているものの、消費者マインドがこのところ弱い動きとなっていることへの注意が新たに明記された。中東情勢の影響を受けてガソリン価格が高騰しており、景気ウォッチャー調査でも全地域で先行きの悪化が見込まれている。

生活目線の解釈

  • 設備投資・公共投資は上向きだが、消費者の節約志向は強まっており、ガソリン価格の上昇が外食・旅行・日用品の購買行動に影響を与えている
  • 中東情勢の影響でホルムズ海峡依存度93%の日本は原油調達リスクが高く、エネルギー価格や物流コストへの波及に警戒が必要
  • 実質賃金は前年比プラスで推移しており、春闘での賃上げ率は5.08%(300人未満は4.84%)と高水準を維持している

3. 分野別の動き

個人消費

持ち直しの動きがみられる(表現変更)

プラス面

  • 実質総雇用者所得はこのところ緩やかに増加
  • 家電販売・外食は緩やかに増加
  • 訪日外客数は2026年3月に362万人(前年同月比+4%)で過去最高

懸念点

  • 消費者マインドがこのところ弱い動き(消費者態度指数33.3)
  • 旅行はこのところ弱含み、ガソリン価格高騰で外出控え
  • 小売業販売額は2月に前月比2.0%減

企業活動・設備投資

設備投資:持ち直している(上方修正)

  • 設備投資:持ち直している(法人企業統計10-12月期は前期比3.5%増)
  • 2026年度設備投資計画:増加見込み(過去平均の伸び率を上回る)
  • 企業収益:改善の動き(経常利益は前年比4.7%増)
  • 生産活動:横ばい(鉱工業生産指数2月は前月比2.0%減)
  • 倒産件数:増加がみられる(3月924件)

雇用・物価

  • 雇用:改善が続き、人手不足感は高水準(完全失業率2.6%)
  • 賃金:定期給与・現金給与総額は増加、春闘賃上げ率5.08%
  • 消費者物価:このところ緩やかに上昇(総合1.3%、コアコア2.5%)
  • 国内企業物価:緩やかに上昇(3月前年比+2.6%)
  • ガソリン価格:4/20時点で169.5円/L(激変緩和措置実施中)

4. 金融市場の動向

株価

  • 日経平均株価は、51,800円台から59,300円台まで上昇した。
  • (※3/30〜4/21の動き)

為替

  • 対米ドル円レート(インターバンク直物中心相場)は、158円台から159円台で推移した。
  • 2026年4月22日時点は159.22円(17時時点)。
  • (※3/30〜4/21の動き)

金利

  • 短期金利(無担保コールレート・オーバーナイト物)は、0.72%台で推移した。
  • 長期金利(新発10年物国債利回り)は、2.3%台から2.4%台で推移した。
  • 金融機関の貸出平残(全国銀行)は、前年比5.2%増加(3月)した。
  • (※3/30〜4/21の動き)

5. 政府の対応と先行きリスク

政府の対応方針

  • 「責任ある積極財政」に基づく機動的な財政運営
  • 物価高対策の継続と生活支援の実施
  • 令和7年度補正予算および令和8年度予算の迅速かつ着実な執行
  • 中東情勢対応:燃料油への緊急的な激変緩和措置を実施(ガソリン170円台に抑制)
  • 代替調達・備蓄放出により原油の安定供給を確保、重要物資の流通円滑化に努める
  • 政府・日銀が緊密連携し、経済・物価動向に応じた機動的な政策運営

先行きリスク要因

  • 中東情勢の緊迫化による原油価格の上昇とインフレ圧力(日本のホルムズ海峡依存度93%)
  • 米国の通商政策をめぐる不確実性(相互関税の違法判決後の動向、代替措置10%)
  • 金融資本市場の変動による企業活動・家計への影響
  • 消費者マインドの低下が実質消費の抑制につながるリスク
  • 中小企業を中心に倒産件数が増加傾向(2026年3月は924件)

出典・参考資料