宮城県の課題
人口と出生率の推移
目標:出生率 1.4
現状:1 (2024年)
出所: 宮城県 推計人口年報
分析
2024年の宮城県の合計特殊出生率は1.00で、東京都に次いで全国で2番目に低い水準でした。この数値は前年から低下し、6年連続で過去最低を更新しており、子育て世代が少ないことや、女性が1人目の子どもを産む年齢が遅いことなどが要因とみられています。 少子化の進行は加速しており、現状、効果的な対策を行えていません。
予測
今後,人口減少と少子高齢化は着実に進行し, 2030年には総人口 214.1 万人(老年人口割合:32.2%,生産年齢人口割合:57.6%), 2060年には総人口 157.2 万人(老年人口割合:41.4%,生産年齢人口割合:49.8%)になると推計されます。
問題点
人口減少の主な問題点は、生活関連サービスの縮小、労働力不足による地域経済の衰退、医療・介護サービスへの負担増加、教育機関の統廃合、そして「消滅可能性都市」が35市町村のうち19の市と町にのぼるなど、地域社会の持続可能性の低下です。これらの問題は相互に影響し合い、人口減少に拍車をかける悪循環を生み出しています。
今後の注目ポイント
2025年の出生率が改善するか。
県内総生産と成長率の推移(実質)
目標:成長率 1.5%〜2%以上
現状:1.5% (2022年)
出所: 宮城県 宮城県を取り巻く現状と課題
分析
宮城県の県内総生産は2012〜2015年に回復と成長を見せたものの、その後は停滞し、2020年のコロナ禍で大きく落ち込んだ後、徐々に持ち直しつつも回復は限定的。
目標
成長率 1.5%〜2%以上
問題点
- 復興依存からの脱却:2012〜2015年の高成長は震災復興の反動とも見られ、以降は成長が鈍化。
- 成長の持続力不足:2016年以降の低成長・横ばいが続き、安定的な成長基盤が脆弱。
- コロナショックの影響:2020年の-4.5%は甚大で、回復は緩慢。
- 全国・東北との比較構造:東北圏では宮城のみ+成長が見られるが、それでも全国水準と比べると脆弱。
- 産業構造の偏り:製造業や建設業依存が強く、サービス・成長分野が弱い。
今後の注目ポイント
今後は産業構造の転換、新成長分野の育成、人材定着策、観光・インバウンド回復、災害への備えなど、多角的な施策が必要。GDP成長率 +2〜3%を目標に据えることで、持続可能な地域経済の実現が期待されます。
過疎地域の振興・地域間格差
存続が危ぶまれる自治体、消滅可能性自治体が35の自治体の半分以上、19の市と町が消滅可能性自治体とされています。
石巻市、気仙沼市、白石市、角田市、登米市、栗原市、蔵王町、七ヶ宿町、村田町、川崎町、丸森町、松島町、七ヶ浜町、大郷町、色麻町、加美町、涌谷町、女川町、南三陸町
消滅可能性自治体とは、子どもを産む中心世代とされる20歳から39歳の女性が今後50%以上減って存続が難しくなる恐れのある自治体のことです。
人口戦略会議は2020年から2050年にかけての減少率を算出し、川崎町は宮城県で唯一消滅可能性自治体の中でも最も厳しい区分に分類されました。
出所:人口戦略会議 令和6年・地方自治体「持続可能性」分析レポート